本記事は、STATION Ai株式会社とパーソルキャリア株式会社が共同で主催した、営業組織の成長を加速させる『Sales Engine Program』の受講企業インタビューです。


今回お話を伺ったのは、VMC Motion Technologies株式会社の代表取締役である永原さんと、営業のプロ人材として関わられた岸さんのお二人です。

宇宙開発や建設機械の自動化など、高度な物理シミュレーションを可能にする「AGX Dynamics」の国内総代理店として、世界トップレベルの技術支援を行っている同社。代表の永原さんの他は常勤エンジニアが4名というエンジニア集団です。永原さんが1人で営業活動を担当しており、アウトバウンド営業への挑戦を考えていたものの、計画を立てるためのリソースさえない状態でした。

しかし、岸さんというプロ人材との出会いを機に、アウトバウンド営業が大きく進展し、アポイント数が大幅に増加。新規相談が入りにくい業界特性を乗り越え、複数の商談が立ち上がることに。成果を導いた決め手とは、ずばり「圧倒的なコンタクト数」にありました。



1. 目先の「手一杯」から脱却したかった

――以前から「営業」に課題を感じていたそうですね。

永原:
はい。私には以前から「攻めの営業」に挑戦したいと思いつつも、人的リソース不足で叶えられていないという悩みがありました。弊社は5名体制ですが、ビジネスサイドは私だけ。他は全員エンジニアなので、営業は私が一人で担っていました。とはいえ、展示会やWEBからの問い合わせや、既存顧客からの紹介で、それなりに案件数は獲得できていました。1件1件の案件規模が大きいので、あまり多くは抱えられません。「手一杯」と言ってもいい状態でした。

―― 一見、営業活動は成功しているように見えますが……。

永原:
ただ、今は良くても、このまま紹介だけに頼っていてはこの先の広がりが止まってしまう。将来を考えると、アウトバウンド営業が十分にできていない現状には強い危機感がありました。とはいえ「攻めの営業」となると、いったい何から手を付ければいいのかわからない。普段から忙しいのもあって、課題の言語化も数値化もできていない状態でした。

――そのような折に、『Sales Engine Program』と出会われたのですね。

永原:
はい。ちょうど営業周りを強化しなければならないと思っていた頃だったので、STATION Ai側からお声掛けをいただいたときはチャンスだと思いました。プロ人材の起用についても、半年程前にマーケティング分野を外部委託した経験があったので、抵抗なく受け入れられました。

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2. 決め手は『未知』への姿勢と柔軟性

――プログラムを通じて、プロ人材と出会うまでのプロセスはいかがでしたか。

永原:
まず驚いたのが、採用要件を決める前段階で行った「壁打ち」のクオリティです。パーソルキャリアとSTATION Aiの担当者が同席し、人材採用や新規事業立ち上げのノウハウを元にアドバイスをくれました。特殊な技術領域を扱う事業なので、どこをポイントに人材を見極めるべきか、判断の基準を明確にしてもらえたのは大きかったですね。

――最終的に岸さんに決められたポイントは?

永原:
技術を理解しようとする積極的な姿勢と、柔軟な対応力です。私たちのプロダクトは、パッケージ化されたソフトウェアではなく、開発ツールやミドルウェアという位置づけのもの。自分たちでさえ事業方針を明確に定めることが難しかった分、新しく入られる方には、まず「これがどんな技術なのか」「どのような場面で活かせるのか」という概念から学んでもらう必要があります。そのため、販売ターゲットを柔軟に見極めながら、自ら技術を学べる方を求めていました。

岸:
IT業界での経験が多かった私にとっても、VMC Motion Technologies株式会社の扱う技術は、いわば未知の領域。例えば、掘削作業における物理シミュレータの活用場面なんて、当初はまったくイメージできませんでした。ただ、これまで多くのサービスを扱ってきた経験から「商品を売るためのプロセスはどこも同じだ」という確信だけはあったんです。具体的にどのようなターゲットを攻めるかは、その都度打ち合わせながら絞り込んでいけばいい。既存顧客の横展開は見えていましたし、未知のターゲットを開拓していくゼロイチも面白そうだと思いました。すでに有名企業にも導入が進んでいるプロダクトであるという点も、営業として非常に魅力を感じましたね。

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3. 待ちの一本釣りから『攻めのアタック』へ

――岸さんが参画してから、まず着手したことは?

岸:
まずは永原さんの商談やイベントに同行することから始めました。クライアントと直接お会いすることで、相手の温度を感じつつ、提案を巻き取れるくらいの知識がつくと考えたからです。実際に同行を始めてみると、永原さんのソリューションは、未知の業界を新たに開拓するよりも、まずは、すでに導入実績のある業界での広がりを作るほうがすぐに結果が出そうだと気づきました。そのため、今は当たるべき未知のターゲットを絞り込んでいくというよりも、既存顧客の周辺に対して「当たる数を増やす」ことに振り切ろうと思ったんです。

永原:
岸さんが生み出すコンタクト数の多さには驚きました。私はBtoBの営業経験はありましたが、それは特定の大きなアカウントをピンポイントで狙う、いわば「一本釣り」スタイルのもの。ですが岸さんは、業界を幅広く捉えながら、どんどんターゲットへ当たっていくんです。この「自ら行く」という能動的な営業姿勢には助けられました。

――岸さんが参画してから、どのような変化がありましたか。

永原:
プロジェクト期間中は、新規のリード開拓は岸さんに任せ、私は岸さんからパスされるアポイントメントを具体的な商談にするための技術説明に集中していました。岸さんは進んで現場でゴリゴリと動いてくれるタイプなので、彼女に入ってもらわなければ、「数を当たる」という戦法は思いつかなかったはずです。私は営業以外にもやるべきことが多かった分、自ら考えて動いてもらえるのは凄く有難かったですね。

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4. 次は営業のテンプレート化を目指して

――約4ヶ月間の伴走の成果はいかがでしょうか。

永原:
ミドルウェアというプロダクトの特性上、一見わかりにくいプロダクトにも関わらず、岸さんが参画したこの数か月で、新規アポイントが9件も立ち上がりました。何より、これまで接点を持てていなかった潜在層からの問い合わせが増えたことは、「リードとコンタクトの取り方で、これほど営業成果が変わるのか」と、弊社にとって大きな気づきになりました。

岸:
もともと、ほとんどアウトバウンドの営業をされていない中でも、有名企業から引き合いを得ていたプロダクトです。当たる数さえ増やせれば、その分新規アポイントメント数は増えるだろうとは予想していました。仮説が無事に立証できたようで嬉しいです。アポの渡し方も、初めは私が取った案件をそのまま永原さんにパスする形にしていましたが、途中からは私自身にも技術的知見がついてきたこともあり、ある程度こちらで提案を巻き取ってからパスするよう意識していました。営業として入口を開けるのは私、技術者として詳細を提案するのは永原さんというように、営業分野での役割を分けることで、より意義のある商談ができるようになったと思います。

永原:
仮に、自社で優秀な営業社員を一人雇えたとしても、舵を取るべき私自身が何が正解かわからない状態だったなら、ろくに指示も出せなかったはずです。それを、岸さんが営業の全体プロセスを俯瞰しながら、課題がありそうな部分を自分でも動いてくれたことで、今までにないデータや「型」が見えてきた。業界別の「戻り率(反応率)」のデータも上がってきたので、今後はアポイント数やリード数だけでなく、獲得率までこだわれるステップに進めたと思います。

岸:
今後はこの「型」の精度をさらに上げて、誰でも営業を回せるようにするか、あるいは自動化できるようにしたいですね。

永原:
プログラム終了後も、岸さんには継続をお願いしています。プロダクト的にもすぐに結果が出る性質のものではないし、既に見えている課題もある。何より、岸さんの営業クオリティと、せっかく掴んでもらった事業の勘所を途切れさせるのはもったいないですから。

5. 営業組織がない会社こそ、プロを「手足」に

――本プログラムは、どのような企業に向いていると思いますか?

永原:
営業部隊がない、あるいは規模が小さいために「勝ちパターン」が構築できていない会社には向いていると思います。特に、代表が一人で何役もこなしているような会社なら、考えながら自走してくれる「実務型のプロ」が最適ではないでしょうか。営業は、実際に動いてみることで初めて「こうすれば反応がいい」という解が見えてきます。素人が下手に戦略を練るより、まずはプロのレバレッジをかけて営業を回してみることが、一番の近道だと思います。

岸:
どのように営業を行うかは、顧客に合わせて都度変えるようにしています。その点でいえばこのプログラムは、事前の顧客情報の共有や、目指すべき目標の深堀り作業が先に行われていたので、オンボーディングもスムーズにできたと思います。

永原:
プログラム運営側による定期的な満足度チェックや、MTG同席によるコミュニケーションの仲立ちも助かりました。おかげさまで、自分たちだけでは辿り着けなかった景色が見えてきたと思います。私と同じように悩んでいる方がいれば、まずはプロに動いてもらうための一歩を、ぜひ踏み出してみてほしいですね。

――ありがとうございました。



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